『夜と霧』
この本自体が焦点を当てているのは強制収容所の環境とそれを通して見えてくる人間のありかたであって、それを生み出した社会的な問題などには言及していません。しかしながら、国民ひとりひとりが「人間らしさ」を見失った、自分で考えて判断することを放棄したことからドイツや日本の暴走は始まったのだろうなと思います。そしてこれは過去の話ではありません。人間の歴史から見れば戦争よりも平和の方が異常な状態だということがわかります。現代であっても、平和を手にする、維持するには常ならぬ努力が必要なのです。
戦後75年です。ここにいる方も、恐らく全員が「戦争を知らない世代」でしょう。この時期にこういった本に触れて、人間はどう生きるべきかと考えてみるのも良いのではと思います。