人生を少し豊かにするブログ

昨日より少し人生が豊かになったな、と思うことを書いていきます。

渡辺恒雄 戦争と政治

NHKオンデマンドというのを初めて使ってみました。

www.nhk-ondemand.jp

先日テレビをつけたところ「渡辺恒雄 戦争と政治」というのをたまたま放送していて、最後の20分くらいを観て、これはおもしろい、最初から観ていなかったのが悔やまれる、と思っていたものが、そういえばネットで見られるのではと思って探したところ、あったので観てみました。
番組の中身を語る前にNHKについてです。英語であそぼを筆頭に非常にお世話になっていて、番組の質もテレ東と双璧をなす程の高いレベルだと思っていますが、番組の質以外は最悪ですね。最初にNHKの集金に合ったときから思っていたのですが、番組以外は最悪です。今回NHKオンデマンドでこの番組を探したところ、NHKには年間2万円以上の受信料払っているにもかわらず視聴は有料ということ。腹が立ったので一旦は観るのをやめたのですが、妻に観たいなら観た方が良いよと説得されて、自分自身見たい気持ちがあったので、悔しいですが220円払って視聴しました。220円払うにも、普段使っているクレジットカードが何故か使えないなど腹の立つ経緯があったのですが、我慢して何とか視聴までたどり着きました。
滅茶苦茶面白かったです。
普段それほどテレビを観るわけではないですが、今年見たテレビ番組ではトップになることでしょう。
渡辺恒雄って良いイメージなかったのですが、イメージ全く変わります(いい人だとは思いませんが)。彼のバックグラウンドを知ると、ことばの重みや迫力が違ってきます。新聞記者が政治、外交を動かしてきたという事実は、民主主義とは何か?を改めて考えさせられます。そしてまた戦後の世論とそれを受けた政治家たちは、戦争体験を紐帯として、反戦を軸に政治を展開してきたのだということがよくわかります。中曽根康弘ですらその流れに位置するのだ、というのは衝撃でした。
この番組が最終的に焦点を当てていたのは、戦争を知らない世代が大多数を占めるようになり、戦争体験という紐帯を失った現代の日本においては、何が根本的な価値観になるのか、ということです。最後にその問いかけを投げて終わりにするという投げっぱなし戦法を取った番組でしたが、この問いはなかなか答えづらいものです。というか、現時点で私の中には答えがありません。2000年以降、考えつくだけでも同時多発テロリーマンショック東日本大震災、コロナと大きな節目はあるのですが、これらが日本国民の価値観、日本の今後の展開を決定的に方向付ける出来事か?と考えると疑問があります。多様性の時代と言われる昨今、そもそも一つの出来事を基盤とした価値観の共有がありうるのか?というのも思います。戦争体験などというものは、詰まるところ持っていない方が良いに決まっていますが、それを持たない現代の日本人に連帯は有り得るのか?
こういう時代だからこそ、一人一人が歴史を学び、想像力、思考力を働かせないといけないのだと思います。現下の環境を踏まえて、国という単位で自分たちはどうあるべきなのか?
戦争を学ぶことは、現代を学ぶことです。自分のあり方を考えることです。今後、何を軸に日本という国が展開されていくのかわかりませんが、少なくとも依然として過去を知ることの重要性は変わらないのだろうなというように思います。